過活動膀胱の検査・治療について
過活動膀胱と言っても実際に私たちが感じる症状は頻尿、夜間頻尿、尿漏れといったものなので、まずは泌尿器科や内科を受診することになると思います。こういった症状で受診すると、まずは問診で尿意切迫感や頻尿の細かい症状などを確認されて、過活動膀胱の疑いがあるかどうかを判断される、という流れが一般的です。
過活動膀胱の疑いがある場合は、以下のような「過活動膀胱症状スコア(OABSS)」の質問に答えることになります。
□1日に何回排尿をしたか
□寝ている間に何回尿意を感じて目を覚ましたか
□急に尿意を感じてがまんするのが困難だと感じたことがあったか
□急に尿意を感じてもらしてしまうことがあったか
その後、尿検査や超音波検査、血液検査などを行い、それでも原因が特定できない場合は膀胱内圧測定、尿流量測定、膀胱尿道鏡検査、X線検査(尿路造影)などを行います。その上で過活動膀胱であると診断された場合は、膀胱訓練や薬物療法によって治療を開始することになります。
過活動膀胱に効果・効能のある医薬品
過活動膀胱と診断された場合に行う膀胱訓練とは、計画的に尿意を我慢するトレーニングを行うことで膀胱に溜められる尿量を少しずつ増やしていくというものですが、これと合わせて女性の場合は骨盤底筋体操や冷え対策などを行う場合もあります。
薬物療法を行う場合は抗コリン薬、β刺激薬、漢方薬などが処方されます。特に過活動膀胱であることがわかっても、その原因が特定できない特発性のケースがほとんどであるこういった疾患については、西洋医学的な治療法では改善が見られないことが多く、漢方医学への期待が高まっています。漢方医学において頻尿に効果・効能のある医薬品では八味地黄丸 (はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)など用いられることが多いようです。